内側から社員が輝く組織風土をつくる。|(株)ヒューマンフォーラム mumokuteki事業部 事業部長 今出貴裕

2017 年に始まって以来、3 年間にわたって導入されたmumokuteki での「わたし研究」。なぜ社員研修にこころ館の「わたし研究」を取り入れようと思ったのか、研修を通してどんな組織づくりを実現したいのか?株式会社ヒューマンフォーラムmumokuteki 事業部長の今出貴裕さんにお話を伺いました。

わたし研究を導入した理由

 mumokuteki でこころ館さんの「わたし研究」に取り組むようになってから、今年で3 年目になります。これまで、グッズ部門の若手リーダーやカフェ部門のメンバーに向けて研修をお願いしてきました。3 年目となる今年は、グッズ部門で前回参加したメンバーと初めてのメンバーを混ぜた形での「わたし研究」を依頼しました。

 僕たちは「いきるをつくる」をコンセプトに、お客様に衣類や雑貨・食品などの商品サービスを提供しているブランドです。そして、まずはそれを届ける社員ひとりひとりが、mumokuteki で働くことを通してそれぞれの「いきる」をつくっていってほしいと思っています。

 こころ館さんの「わたし研究」は、内省を通して自分のことを明確に理解し、本当に自分が求めている生き方や働き方を発掘していくものです。それが本当に実現できるならと考えて、研修を導入することに決めました。

内側から変わりはじめたチーム

 「わたし研究」の効果を特に実感したのは、2 年目のカフェ部門での研修です。

 多忙を極めるカフェ部門では、慢性的に疲弊感があり、スタッフ同士のコミュニケーションも上手くとれていないという課題がありました。何よりも僕がショックだったのは「仕事が楽しめない、作業でしかない」「働いている意味と価値を感じられない」というメンバーの言葉でした。このチームに一体何ができるのかを考えた結果、「わたし研究」をカフェ部門でも始動することにしました。

 研修の中では、一人ひとりが自分を見つめ直し、自己理解を深めていきます。メンバー間の個性の認知が進みだしたのは、「自分らしさ度診断」のワークでした。自分らしくいれないのはどういう時かをチームで共有することで、他者から見えている世界と自分の世界では、全く違った事実が存在していることがわかりだしました。

 その次の回での「苦手な人を師として学ぶ」ワークは、それをさらに加速してくれました。

これまでの人生はそれぞれに違うけれど、一人ひとりの体験をチームで深く知って理解することから生まれてくるものがありました。そしてそれは、” 応援” という形でチームを変えていきました。

 業務の中では知ることができなかったメンバーの考えや気持ちにふれたことで、相手に共感し、理解しようとする姿勢が生まれ、その結果、業務や会議でも相手を尊重した発言ができるようになりました。何より、一人ひとりがここで働く意義を自分たちの中から見出そうとする姿が見られるようになっています。

 研修を終えた今も、「わたし研究」で生まれたチームの結束は続いています。まだまだ課題はありますが、このチームでなら一緒に乗り越えていけると確信しています。

仕事と人生が、ひとつになった

  チームでの「わたし研究」と同時期に、自分自身もリーダーとしてさらに内面から成長していきたいという思いから、「エグゼクティブ・トレーニング」という松原さん(こころ館代表理事)の個人セッションを月に1 回お願いしていました。10 回に渡るセッションでは、自分の生い立ちを中心に、無意識のうちに封じてきた感情や、これまで見ないようにしてきた過去と徹底的に向き合っていくことになります。

 僕は幼い頃に両親を亡くしていて、特に母親の温もりを全く知らないまま生きてきました。育ててもらった祖父母も早い時期に旅立っています。そんな境遇だったので、「自分は何のために生きているんだろう」「なぜ自分はこんな運命なんだろう」と思いながらも、“かわいそうな人には見られたくない、自分の力で十分やっていける” という一心で頑張ってきたつもりです。

 でもある時、セッションを通して、天国の母親と自分とのつながりを取り戻せた瞬間がありました。そこから、この人生で自分は何を見せてもらってきたのか、そして自分がこれからの人生をどう生きていきたいのか、沸き上がってくるものがありました。

 それは、自分のいのちを生き切るということ。

 そして、誰もが自分のいのちを輝かせて生きられる世界をつくること。

 それはまさに、mumokuteki のコンセプトである「いきるをつくる」と一致していました。

 今までの自分の経験は、これから先の未来をつくっていくために起きていたことなんだと気づけたことは、僕の人生の中でも大きな発見だったと感じます。

mumokutekiを本物にする

僕は、mumokuteki を内側から本物にしたいと思っています。ただおしゃれなものや空間を提供するのではなく、その商品が生まれるまでのストーリーや、生産者さんの想いに価値を置きたい。

 そして何より、ここで働く仲間が本当に幸せになれる組織であること。そのためには、社員ひとりひとりが、この組織で働く意義を自分の中から見出して、人生に何を求めて、mumokuteki という環境で何を実現していきたいのかを自分でわかっていることが大切だと思っています。

 そういった意味で、こころ館さんの「わたし研究」を取り入れていきながら、社員が自らの可能性を活かして内側から輝ける風土づくりに取り組んでいきたいです。

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今出貴裕(いまで・たかひろ)

株式会社ヒューマンフォーラムmumokuteki 事業部事業部長。1979 年大阪府生まれ。2002 年に若者向けアパレルブランド「スピンズ」に入社。同年古着のバイヤーとして1 年の大半をアメリカ、ヨーロッパ、アジア圏で生活。その後同ブランドの店舗管理、事業部の統括を経て、2016 年にmumokuteki事業部へ。コンセプトを「いきるをつくる」にリニューアルし、本質から人の暮らしを豊かにするブランドの構築と、社員が内側から輝ける組織風土づくりに取り組んでいる。

mumokuteki

「いきるをつくる」をコンセプトに「たべること、きること、つくること、つかうこと、知ること、感じること」に関わる事業を展開。カフェ・雑貨・アンティークの店舗運営、スクール事業、ホールやファームの運営を行う。

〒604-8061 京都市中京区式部町261 ヒューマンフォーラムビル

075-220-6996 https://mumokuteki.com/

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